サカナクション
【LIVE REPORT】

いよいよラストに登場したのはサカナクション。全9組のアーティストが競演を見せた「ビクターロック祭り」のヘッドライナーをつとめた彼らが見せたのは、絶頂がずっと続くような、完璧なショーだった。
水滴のSEから大歓声に迎えられて登場した5人が最初に披露したのは、“ミュージック”。5台のコンピューターを並べたラップトップスタイルでのスタートだ。そこから曲中の暗転でバンドスタイルに転じる専売特許の演出も見せる。オーディエンス全員が飛び跳ね、服がビリビリと震えるような重低音と強力なダンスビートで一気にクライマックスまで上り詰める。考えてみればサカナクションにとって、ここ幕張メッセはワンマンで何度も立ってきた場所だ。さすがの風格。


そして本編ラストは“Aoi”。爆発するような反響の中、テンションを高めるだけ高めて「ありがとうございました、サカナクションでした」と5人はステージを一旦降りた。ここまでMCは一切なし。上昇するジェットコースターに乗り続けるような、あっという間の音楽体験。こういう体感を味あわせてくれるバンドは、今、彼らだけだろう。

そして、山口一郎のMC。とてもいいことを言ってたと思うので、抜粋してお伝えします。
「一つのライヴを作り上げるのに沢山の人たちが関わっているのと同じように、一枚のCDを作り上げるにも沢山の人たちの力が必要なんですね。ラジオとかテレビ、お店を回る人もいたりして。そういうことも大事なことだし、そういう人たちのおかげで僕らはここに立てていると実感していて。感謝の気持ちもちゃんとある。だから、僕らだけじゃなく、ビクター全体を応援よろしくお願いします」


ライター: 柴 那典/カメラマン:橋本 塁(SOUND SHOOTER)