ビクターロック祭り2018
presented by Victor Entertainment

ROAR STAGE ライブレポート

  • Eggs presents
    「ワン!チャン!!~ビクターロック祭り2018への挑戦~」
    kobore / SILYUS

    5回目の開催を迎えた「ビクターロック祭り」。ROAR STAGEにて本日一発目の音を鳴らすのは、kobore、そしてSILYUSの2組。「ワン!チャン!! ~ビクターロック祭り2017への挑戦~」でグランプリを受賞して、昨年出演を果たした彼らが幕張に帰ってきた。

    視線を合わせたメンバー4人がジャーンと音を合わせ、佐藤 赳(Gt.Vo)が「東京は府中からやってきました、koboreと申します。よろしくお願いします」と挨拶し、koboreのステージが始まった。連続で鳴らされたショートチューン「爆音の鳴る場所で」「君にとって」が伝えるのは、心から笑い合い泣き合える場所がここであり、目の前にいるのが君だからこそそれができるのだということ。このバンドがライブをやる理由そのものをまず初めに歌うことにより、koboreとは何たるかをまっすぐに伝えてみせた。そして早くもラスト、昨年も演奏していたバラード「ヨルノカタスミ」はドラマティックサウンドに変貌していて、この1年間でのバンドの成長をよく表していた。ROAR STAGE狭しと鳴りわたる、純度の高い4ピースサウンド。「ビクターロック祭り2018」はここからまだまだ続いていくが、全身全霊で鳴らされたその歌は聴き手の心に深い爪痕を残したのではないだろうか。

    kobore

    続いてはSILYUSの登場。水泡の効果音から始まるトラックを背に彼は登場し、深々とお辞儀。短く挨拶したあと、スタンドマイクにもたれかかるような姿勢で歌い始めた。後ろに引っ掛けるようなビートと重々しいサウンド。海の底に沈んでいくような音像のなか、アクセントを強めにしたボーカルがよく映えている。そしてkobore同様、SILYUSに関しても、昨年にも披露していた曲にこの1年での成長がよく出ていたように思う。「僕は今までずっと孤独と生きてきたんですよ。だけどみなさんと歌っている今だけは孤独じゃないと思ってます」「もしこの中に『寂しい』とか、昔の俺と同じように『死にたい』と思っている人がいるとしたら、君は独りじゃないってことを伝えたい」と語った後の、ラスト、「Monaural」。ボーカルは以前よりも安定し、言葉を明確に伝えることのできるようになっていたし、不敵なクールさと衝動に突き動かされているような情熱が共存する佇まいは思わず見入ってしまうほどだった。

    SILYUS

    Text by 蜂須賀ちなみ
    Photo by にしゆきみ(SOUND SHOOTER)

  • Yogee New Waves

    ここROAR STAGEの幕開けを飾るのは、3月14日にメジャーデビューEP『SPRING CAVE e.p.』をリリースしたばかりのYogee New Waves! 昨年5月にリリースされた最新2ndアルバム『WAVES』の「Fantasic Show」の肉感的なグルーヴ&角舘健悟(Vo・G)の豊潤な歌声に応えて、オーディエンスの軽やかなクラップが広がったところへ、『WAVES』からもう1曲「Ride on Wave」の心地好いヴァイブと躍動感でメッセの空気を震わせていく。広大なホールはいつの間にか、陽光あふれるビーチのような開放感に包まれている。

    Yogee New Waves
    さらに1stアルバム『PARAISO』から「Good Bye」を披露。「短い間ですけど、楽しんでいってください」という角舘の言葉に続けて響かせたスロウナンバー「Climax Night」で、妖艶な白昼夢の如き音風景を描き出していく。ラストは最新作『SPRING CAVE e.p.』から「Bluemin' Days」。熱気を刻むタイトなビートとアンサンブルが、一歩また一歩と歓喜のその先へと駆け出していくような多幸感とともに広がり、最高の1日の始まりを晴れやかに彩っていった。


    Text by 高橋智樹
    Photo by にしゆきみ(SOUND SHOOTER)

  • Eggs presents
    「ワン!チャン!!~ビクターロック祭り2018への挑戦~」
    「琴音」 / 超能力戦士ドリアン

    お昼をまわったROAR STAGEには「ワン!チャン!! ~ビクターロック祭り2018への挑戦~」にてグランプリを獲得し、見事「ビクターロック祭り2018」への出演権を勝ち取った女性シンガーソングライターの「琴音」、そして大阪のコミックバンド・超能力戦士ドリアンの登場。振れ幅がものすごいこの2組のことをダイノジ・大谷ノブ彦が紹介したあと、いよいよライブのスタートだ。


    「琴音」 「琴音」は、アコースティックギターを持った彼女+サポートキーボーディストという2人編成でステージに臨んだ。1曲目はしっとりとしたバラード「願い」。ある時には空気に混ざるようなハスキーボイスを、そしてまたある時には聴き手の胸にまっすぐ届けるように芯のある歌声を聞かせてくれる彼女。その歌声はとても繊細で、一度耳にしたら忘れられないほどの魅力を持っている。正面をしっかりと見据えながら実に堂々とした佇まいで歌っていたが、MCに入ると一転、喋り方はあどけなく、彼女がまだ高校1年生であることを改めて実感させられる。2曲目には爽やかなアッパーチューン「音色」を届け、先ほどとはまた異なる表情を印象づけた。

    「琴音」

    続いては、超能力戦士ドリアン。メンバーにいないはずの自称ドラマー(誰だよ)によるアナウンスを経て、やっさん(Gt/Vo.)、けつぷり(Gt.)が入場。1曲目「恐竜博士は恐竜見たことないでしょ」が始まるとおーちくん(Vo.)が恐竜の着ぐるみ姿で登場し、あっという間にカオスな状況だ。と同時に、キャッチーなメロ、シンガロング、シンプルな振り付けなどで「楽しい」満載な状況も作り上げる。ラストはあの3人組になぞらえて自分たちの編成を紹介する「いきものがかりと同じ編成」。ドラムソロで派手なスポットライトが当たるがギターとボーカル以外は同期のためそこは空席、オーディエンスに名前を聞いては「そうですか、僕たちは超能力戦士ドリアンです!」と返すなど、この曲もボケを挟んで進行。そんななか、恒例だという「いいですか!?」「興味あるー!」コールが回を増すごとに大きくなり、どんどん味方が増えていっている感じがしたのが印象的だった。

    超能力戦士ドリアン

    Text by 蜂須賀ちなみ
    Photo by にしゆきみ(SOUND SHOOTER)

  • 雨のパレード

    早めに来てくれた観客のために「You & I」(ラジオライブ以外で披露するのは初だったらしい)と「epoch」を演奏するという粋なサウンドチェックを経て迎えた雨のパレードのライブ。上手側=大澤実音穂(Dr)、下手側=是永亮祐(Ba)、中央・前方=福永浩平(Vo)、中央・少し後方=山崎康介(Gt & Syn)――というあまり見慣れないフォーメーションが目を引く。「調子はどうですか? 雨のパレードです。どうぞよろしく!」、メンバーを代表して福永が挨拶。そして、1曲目に届けられたのは「Tokyo」だった。ハンドマイクで歌いながら身体を揺らし、雄大に広がるサウンドの中を漂うように歌う福永の姿が眩しい。息を呑んでじっくり噛み締めたくなるオープニングであった。

    瑞々しいメロディが印象的な「Shoes」も届けられた後に迎えたインターバル。「楽しんでますか? ビクターロック祭り、5周年らしいですね。俺ら、初回からお客さんとして来ていて、去年連続から出させてもらってます。このステージに立てることを誇りに思います。ビクターは面白い人ばかり。いつも感謝してます。3月14日に『Reason of Black Color』というアルバムをリリースしました。その中から1曲。僕たちの初めての卒業ソングです」というMCを経て届けられた「MARCH」は、先ほどまでシンセサイザーを弾いていた山崎がギターをプレイ。切なさと力強さが融け合ったサウンドが、とても心地よかった。

    「今日はここに集まってくれてありがとうございます。4月21日に日比谷野外大音楽堂でワンマンライブをやるので、よかったら来てください。宜しくお願いします!」と観客に呼びかけた福永。そして、ラストは「new place」が飾った。サンプリングパッドと生ドラムの両方を駆使して放つビート、神々しく響き渡るギターサウンド、妖艶に躍動するベースラインに誘われて踊り始めた観客が、一斉に掲げた掌の数がものすごい。会場内に幸福感に満ちたダンスフロアが生まれていた。

    雨のパレード
    Text by 田中大
    Photo by にしゆきみ(SOUND SHOOTER)

  • RHYMESTER

    キング・オブ・ステージ=RHYMESTER、満を持してビクターロック祭り初出演! 「ビクターロック祭り2018、始めるぜ! ザ・キング・オブ・ステージ!」(DJ JIN)のコールとともに宇多丸(RAP)&MUMMY-D(RAP)が登場、挨拶代わりに繰り出した「マイクの細道」の時点でフロアは満員。そのまま「Future Is Born」のファンキーなリズムへと流れ込むと、オーディエンスのジャンプとハンドウェーブでROAR STAGEがでっかく揺れていく。

    間髪入れず突入した「Back & Forth」のアグレッシブなビートを切れ味鋭いラップで乗りこなすと、「梯子酒」の文字の染め抜かれた扇子を手にした3人は、ヒップホップ酔いどれ賛歌「梯子酒」へ。「みんな、いろんなバンドを見て、梯子酒状態だと思いますんでね……」という宇多丸の言葉から、「セレブりたい時何飲むの?」「ペリニヨン ペリニヨン」のコール&レスポンスを巻き起こしてみせる。

    「ロックバンドで言えば3ピース、生身の演奏でやってるってところをお見せしようと思います!」の宇多丸の宣誓から「The R」「K.U.F.U.」でROAR STAGEをパワフルにアゲ倒す! 「RHYMESTER!」「ビクター!」と次々に放つコールに応えて「No.1!」と一面に湧き上がる観客の大合唱が、迫力の熱演を讃えるように響いていた。

    RHYMESTER

    Text by 高橋智樹
    Photo by にしゆきみ(SOUND SHOOTER)

  • Reol

    ROAR STAGEのhalftime actとして登場したのは、金髪のショートカットが印象的なシンガーソングライター・Reol。3人組ユニット・REOLとしての活動を経て、2018年よりソロアーティストReolとしてCONNECTONEレーベルに所属。この日が所属後初ライヴとのことだったが、そんな気配は微塵も感じさせない堂々たるステージだった。無音のまま、真っ白なギターを携えステージに現れたと思えば、そのままアカペラで「エンド」を始める。ダークな雰囲気を纏いつつも、凛とした力強い歌声に、通行客も次々と足を止め、ステージに吸い寄せられてゆく。「はじめまして、Reolです。よろしくお願いします!」と、初々しい挨拶を終えての「ミッシング」は、打って変わってアッパーなロックチューン。ハイトーンであどけなさの残る歌声と、アップテンポな曲調が彼女のキュートさを引き立てた。そしてあっという間の最終曲。ギターを手放しハンドマイクで披露した「平面鏡」は、まさかのラップ!これには驚いた観客も多かったことだろう。わずか3曲ながらも、引き出しの大さを見せつけた初舞台となった。

    Reol


    Text by イシハラマイ
    Photo by にしゆきみ(SOUND SHOOTER)

  • ぼくのりりっくのぼうよみ

    ROAR STAGEにはぼくのりりっくのぼうよみが登場! 今年2月に20歳になったばかりながら、すでにアルバム3作品をリリース、次世代の牽引者としての熱い支持を集めているぼくりりが、いよいよビクターロック祭りに初出演。脇山広介(Dr)、須藤優(B)、タケウチカズタケ(Key)、宮本仁(Perc)、DJ HIRORONのフルバンド編成でオンステージすると、「Be Noble」の辛辣な時代観/世界観をこの上なくグラマラスに響かせ、一気にメッセの空気を掌握してみせる。
    メロディアスなヴォーカリゼーションと緻密なフロウを巧みにスイッチしながら、その歌で聴く者の心の奥底にぐいぐいと入り込んでくる図は、さながらポップの魔術師そのものだ。

    さらに「sub/objective」で会場のテンションをさらに高めたところで、「ビクターロック祭り、盛り上がってるかー?……って、盛り上がらない曲やった後にすみません(笑)。今から結構楽しい曲やるんで。踊りましょう!」と最新アルバム『Fruits Decaying』から「Butterfly came to an end」を披露、アッパーなビートとラップでフロアを熱く震わせてみせる。
    続けて「アネッサ」CMでもお馴染みの清冽なダンスナンバー「SKY's the limit」で一面のハンドウェーブを巻き起こし、超絶ハイパーな「For the Babel」の加速感でフィナーレ! クリエイターとしての才気のみならず、シンガー/パフォーマーとしての劇的進化ぶりもリアルに感じさせるひとときだった。

    ぼくのりりっくのぼうよみ


    Text by 高橋智樹
    Photo by にしゆきみ(SOUND SHOOTER)

  • 四星球

    ROAR STAGEも佳境を迎えた時間帯。この日一番の笑い(と小道具の数)で観客を魅了したのは四星球。大いに笑った。でも今日の彼らのステージは、それ以上にグッとくる場面が多かったのだ。謎のアナウンスが今年のビクターロック祭りの裏テーマは「四星球売れに売れました祭り」であることを告げると、ハッピ姿の人々(実はビクターの社員)を引き連れ、金色のハッピを纏ったメンバーが登場。ドラムのモリスはテングになったとのことで、長鼻&全身赤タイツ仕様である。そして四星球が売れに売れたことを称える表彰状が、ビクターの岩渕氏からまさやん(Gt.)へと授与されたところで、ようやく1曲目・宇宙に詳しいと言い張るおっさんの歌「Mr. Cosmo」へ。「今年35歳!同級生はファミリーコンピューターと東京ディズニーランド。同期に負けないように四星球頑張ります!」と北島康雄(シンガー)。後方の物販ブース近くまで達した観客たちが、一斉に手を振り始める。そして「本当はニッパーを動かしたかったんだけどそれがムリとのことで」と、舞台ソデから持ち出したのは段ボールで出来た工具のニッパー。ステージを降りた北島の後を観客たちが、ニッパー(工具)を掲げて追いかけるという摩訶不思議な時間が発生する事態に。当初のUFOを呼ぶ云々という設定はもはや跡形もない。そしていよいよ、この男の出番である。全ての段ボール小道具を手掛ける、まさやんを歌にした「鋼鉄の段ボーラーまさゆき」。不覚にもこの曲でグッとくるスイッチを入れられた。〈M.A.S.A.Y.U.K.I〉〈竹田〉!とメンバー、観客で熱烈にコール、こんな形のメンバー愛、最高じゃないか。そしてそこからラストまでの流れがもうズルい。自分たちのファンになってくれたビクターへの感謝と20周年ではBARK STAGEのトリを取ることを誓った「クラーク博士と僕」、「歌で何かを叶えたのは初めて」と番組出演の夢が叶ったことを告げて始めた「HEY!HEY!HEY!に出たかった(NEO!)」。これには観客たちも皆、胸にくるものがあったはずだ。「最後みんなでジャンプして終わろうか!」と北島は、観客たちを座らせた。そしてそのまま「この続きは来年あちらのステージでお願いします!」とステージを去っていったのだ。そんな肩透かしも、彼ららしい。愛と涙の段ボール劇場をありがとう、四星球。BARK STAGEのトリを特大の段ボールセットが飾る日を、楽しみに待つ。


    四星球


    Text by イシハラマイ
    Photo by にしゆきみ(SOUND SHOOTER)

  • GRAPEVINE

    ここまで10組のアーティストが出演したROAR STAGEを締め括るのは、昨年9月にメジャーデビュー20周年を迎えたGRAPEVINEだ。定刻になると、SEなしで田中和将(Vo/Gt)、西川弘剛(Gt)、亀井亨(Dr)、高野勲(Key)、金戸覚(Ba)が入場。「はい、こんばんは」と田中が軽く挨拶したあと、華やかなブラスの響きと肉体性を剥き出しにしたバンドサウンドが絡む、「Arma」で瑞々しく幕を開けた。続く「スロウ」では照明のトーンも落ち、サウンドのキレは保ったまま、アンサンブルがさらに濃厚かつ豊潤になる。アウトロに達した頃には音の渦が凄まじいことになっていたが、それに埋もれることなく、平然と浮かび上がるボーカルはさらりと、しかし圧倒的な声量を誇る。

    GRAPEVINE
    GRAPEVINEがSPEEDSTAR RECORDSに移籍したのは2014年のことだが、この「ビクターロック祭り」に出演するのは今回が初めて。そのことに関して、田中は「なぜならば、我々はつい最近ビクターに入ったばかりぺーぺーなもんですから。ひとつこれからも、ビクターロックとしてよろしくお願いします」とコメントしていた。

    この日のハイライトは間違いなく、4曲目「CORE」であろう。少ない音数の中でよく映える、風のようにどこまでも行ってしまいそうな歌声。幻想的な響きの冒頭数フレーズを終えたあと、ドラムのビートが加わることによりまた違う趣が生まれて二度美味しい感じになるが、サビに入ると各楽器の演奏が一層白熱。これは三度美味しいぞと思う間もなくセッション的な展開が始まり、バンドサウンドがどんどんサイケ寄りになっていくのだ。曲の尺を大幅に伸ばしながら魅せる、狂おしくも美しい、アンサンブルの妙。音が鳴り止んだあと、この日一番の喝采が起きた。

    直後、次が最後の曲である旨を田中が告げるとオーディエンスの残念がる声が聞こえたが、これはもう無理もないだろう。ラストに「光について」を演奏し、5人はステージを去ったのだった。

    GRAPEVINE


    Text by 蜂須賀ちなみ
    Photo by にしゆきみ(SOUND SHOOTER)

  • DJダイノジ

    DJダイノジ
    今年のビクターロック祭りの全体を締め括ったのは、ROAR STAGEの「DJダイノジ」。
    大谷ノブ彦(DJ)と大地洋輔(エアギターとパフォーマンス)による「漫才師×DJのハイブリッドエンターテイメント集団」だ。「お手を拝借!」、今年のビクターロック祭りの成功を祝して行った大谷による一本締めがオープニングを華々しく飾り、最強のパーティータイムがスタートした。

    ダンサーたちと一緒になって飛び跳ね、エアギター世界チャンピオンのプレイを炸裂させていた大地が初っ端からアクセル全開! あんな姿を見たら、ダンス衝動を抑えられる人類はこの世に存在し得ないだろう。朝からたくさんライブを観てきた観客たちのはずなのに、疲れなんて微塵も感じさせないまま踊り続けていた。そんな空間に放たれたのは、快感のツボを完璧に刺激するナンバー揃い――星野源「ギャグ」で胸をキュンとさせてくれたり、KEYTALK「MONSTER DANCE」で爆発的踊らせてくれたり、サカナクション「新宝島」が爽やかな音像とビートで我々の身も心も包んでくれたり……マックス状態の興奮が、山あり谷なしの状態で会場いっぱいに広がり続けた。

    ラストにプレイされたのはサザンオールスターズ「HOTEL PACIFIC」。大谷と大地が「ビクターロック祭り~」と叫び、観客が「最高!」と一斉に叫んだ直後に漂っていた完全燃焼の余韻は、今日1日を楽しんだ観客にとって素敵な思い出となったに違いない。

    Text by 田中大
    Photo by にしゆきみ(SOUND SHOOTER)